オーガニックとボタニカル・後編(月刊ステテコ 6月号)

ryuitadani_03
©Ryu Itadani
©Ryu Itadani

 

6月の絵 「 M.L.K. 」  by Ryu Itadani

 

ボタニカルダイで染める

織り上がったオーガニックコットン100%の綿ちぢみを製品の形にした後、ステテコドットコムとしては初めてボタニカルダイでの製品染めをすることにしました。ボタニカルダイとは、天然植物の花・葉・茎・樹皮・果皮から抽出した染料で染め、現代の色素も合わせて活用することで堅牢性を高めるハイブリッドな染色技法です。①草木染とは異なり、金属を水に溶かした媒染剤を使用せず、タンパク質を使用して繊維に色素を吸着させているので環境負荷が少ない ②この技法で染めると光が乱反射をするため、色に深みがでる ③植物はひとつに見える色の中に、実はたくさんの色素を持っている為、色に奥行きがでる   以上の特長を持ちます。

ボタニカルダイを開発した会社の壁一面に並ぶ染めの原料となる天然植物

今回の染めに使用された植物原料 左からラベンダーの花、マルベリーの実、クチナシの実

 

今年はラベンダー、マルベリー、クチナシの3色 染めることにしました。ラベンダーは花、マルベリーとクチナシは実から抽出した色素を使いました。植物にはそれぞれ多種多様な効能があるとされますが、今回の植物についてもご紹介いたします。

ラベンダー: ラベンダーの属名(Lavendula)は、ラテン語で『洗う』を意味しており古代ローマの人たちが好んでラベンダーを浴場に入れたことに由来します。イライラを治し、神経の緊張をとることが知られています。昔、ヨーロッパの羊飼いが風邪を引き頭痛がしていたが、ラベンダー畑で寝たら治ったことからラベンダーの効能が広がったと伝えられています。

マルベリー(クワ):  桑の実はラム酒に漬けたり、滋養、強壮のある桑の実はジャムにしたり、ヨーロッパでは根でパイプも作成します。桑の葉のお茶も日本では滋養の茶として、最近人気ですがこの木には、フラボン、(黄色)アントシアン、(赤)アントシアニン(赤)クロロフィル(緑)カロチノイド(オレンジ)モルシン(ポリフェノール)ベージュ、クワノン(ベージュフラボノイド)など多色の「色素」を持っていて、その集約の果実は緑から黄色に、オレンジ、から赤くなり熟れると、黒紫になります。血液をキレイにする効果も持っています。

クチナシ:クチナシの実は解毒作用や解熱作用、血圧を下げることなどが知られています。また、邪気を払うといわれ、昔の人がお守りにしました。また、クチナシの名の由来は「口無し」に由来するといわれ、その果実が熟しても口を開かないことから名づけられたといいます。クチナシの実は心を痛めている悩みや心の痛手や不安を取り除き、その人本来のパワーを取り戻すとされています。

 

近日発売。

今年、ステテコドットコムとして初めて試みたオーガニックコットン&ボタニカルダイの商品、近日発売予定です。写真はクチナシで染めたブラウスとモモンガパンツ。

Ryu Itadaniさんによる今月の絵「M.L.K」は今回染めたマルベリー、ラベンダー、クチナシをモチーフに描いていただきました。

 

 

先頭に戻る