加瀬健太郎さん、広告を語る・後編(月刊ステテコ 9月号)

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©Ryu Itadani
©Ryu Itadani

今月の絵 「Aji」  by Ryu Itadani

加瀬健太郎さん、広告を語る(後編)

加瀬健太郎さんとの話はまだ続いていた。

加瀬
加瀬
(広告では失敗を排除していくのに対して)僕はついつい失敗にむらがっていってしまうんですよ。
逆に。笑
ステテコ
ステテコ
加瀬
加瀬
失敗しかみてない。
でも、だからこそ生まれるものもありますよね。加瀬さんの著書「お父さんだいじょうぶ?日記」もまさにそうですし
ステテコ
ステテコ

 

   

 

加瀬
加瀬
ところが今の世の中、不景気で経済的に余裕が無いから、求められているのは必要なこととか得することとかの本なんです。
言われてみたら、本屋行って並んでいるのは確かにそういう本が多いですね。
ステテコ
ステテコ
加瀬
加瀬
それに比べて僕の本なんか、はっきりいって読んでも何の得もしないでしょ。でも、本当のこと言ったら、僕の本はすごい得する構造になっています。実は。
どういうことですか?
ステテコ
ステテコ
加瀬
加瀬
コロナの前まで、世の中、お金、お金だったでしょ。お金使って高級なホテルでご飯食べたとか泊まったとか。何々に使った。とか、全部お金で っていう世の中だったのがコロナでそれが許されないようになったでしょ。家にいないといけない。そうなったらそんなに差が無いですよね。そこで、僕の本です。あれはステイホームの指南書みたいなもんです。
え、どういうことですか?
ステテコ
ステテコ
加瀬
加瀬
今までみんなお金を払ってどっかに探しに行っていた。でも、もうあんねん。わざわざ行かなくてもあんねん、家に。お金払って行かなくても家にめっちゃ面白ろいのがいっぱいあったやんっていうことに気付いてもらえる本なんですよ。でも、まだそのことに世の中が気付いていない。
ちょっと憤りを感じるんですか?
ステテコ
ステテコ
加瀬
加瀬
憤りは感じないですけど、この本をどう広めたらいいのかがわかってないんです。
でもある意味、出版はタイムリーだったんじゃないですか?
ステテコ
ステテコ
加瀬
加瀬
タイムリーです。なんせ、ステイホームの指南書ですから。もう持っているということに気付いたらいいなと。みんなは今まで世の中の成功というか、良しと思われることしか写真撮ってSNSにアップしてこなかった。でも僕はあの本で、子供がこけたり、泣いたりという時にパシャパシャ撮って、情けないことを書いてきたわけです。
確かに。言われてみたら成功談とかなかったような。。
ステテコ
ステテコ
加瀬
加瀬
僕が言いたいのは、生活まで広告みたいになんなよって。生活からも失敗を取っていくなよって。失敗込みで生活でしょ。
なるほど、さっきの広告の話が一般の生活にもつながるわけですね。
ステテコ
ステテコ
加瀬
加瀬
そうです。美味しいとこ、そこやでって。美味しいとこそこやのに、全部捨てちゃうの?骨のあいだの肉が美味しいんやで。魚でも食べやすい身のところばかり食べてる場合やないで。アジは頭を食べてみ!そういうことですよ。僕はやっぱり身の方、食べますけど。ハハハ

 

加瀬さんとの話を終え、僕は帰路についた。一体どんなCMが出来上がってくるのだろうか。楽しみだが、終始おちょけ気味だった加瀬さんを思い出すと正直不安になる。なお、CMお披露目の際には、ステテコユーザーの皆様に加瀬さんの最新刊「お父さん、まだだいじょうぶ?日記」を抽選で10名様にプレゼントさせてもらおうと思っています。笑いとともに心も温まる本ですので是非読んでみてください。

加瀬さんの直筆サイン入りです!!

 

 

 

 

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