今月の絵 「Cotton」 by Ryu Itadani
綿(コットン)とは??
ステテコドットコムのほぼ全ての商品に使用されている素材、「綿(コットン)」。言わずと知れた私たちに馴染み深い天然素材ですが、今回の月刊ステテコでは綿(コットン)っていったいどんな素材なのかQ&A形式での深堀りを試みることとしました。
Q.綿(コットン)ってどんな植物なの?
A. アオイ科ワタ属(Genus Gossypium)の多年草。種播きから収穫までは約4か月から6か月。美しく、鮮やかな花が開き、実となったあと、子房(しぼう)が成長して、先端部分に球状のものができる。これが「コットンボール」。コットンボールの内部は3~5室に分かれていて、各室に綿毛がぎっしり詰まった種が7~9個入っている。成熟すると、各室の境目が裂けて、なかから白い綿毛をはき出す。「綿花」といっても、種子毛(しゅしもう)だが、ぱっと開いた状態が花のように見えるのでこう呼ばれている。
Q.綿(コットン)と人間との歴史は?
A. 人間とコットンの付き合いは一説では7000年以上も前からとも、また一説では5000年ほど前からスタートしたともいわれている。メキシコのテワカン渓谷からは紀元前5500年の綿花が発掘されている。古代アラビア商人が西方へと伝えていき、イタリア、スペインを経て、ヨーロッパ各地に広がっていったと考えられている。しかし、18世紀ごろまでの英国をはじめとするヨーロッパでは織物といえば毛織物と麻織物が主体で、産業革命以後、綿産業が急速に発展したくさんの人々に愛されるようになった。
Q. 綿(コットン)と日本との歴史は?
A. 日本に綿が入ったのは比較的歴史が浅く、平安朝初期に中国から入ってきたのが始まりと言われている。その後、綿の種子が伝わり、16世紀後半になって、三河地方、遠州地区、大和地区、河内・和泉地区などで栽培されるようになった。
Q.綿(コットン)に種類はあるの?
A. アオイ科のわた属にはまったく繊維をつくらないものもあるが、繊維をつくるわた属は次の4つに大別される。
- arboreum(アルボレウム) ・・・ デシ綿(インド綿、パキスタン綿)
- herbaceum(ヘルバケウム)
- barbadense(バルバデンセ) ・・・ エジプト綿、海島綿、スーダン綿、スーピマ綿 等
- hirsutum(ヒルスツム)・・・アップランド綿(アメリカ綿、オーストラリア綿等)
アルボレウムとヘルバケウムは、古くインド、パキスタンのあたりで栽培され、その後、大陸に広くいきわたった。一方、バルバデンセとヒルスツムはアメリカ大陸が発祥地と言われている。アルボレウムは繊維が短く、機械紡績には向かない為、ふとん綿や脱脂綿に利用されている。ヘルバケウムは現在ほとんど商業栽培されていない。バルバデンセはペルー北部が発祥地と考えらている。綿花品種のなかで繊維が最も長く、大部分が超長繊維綿あるいは長繊維綿に属し、高級綿製品の原料として使われている。ヒルスツムはアップランド綿とも言われ、成育期間が短く、どのような気象条件にも適合する上、紡績性に優れる為、現在の世界の綿花生産の約90%がこの品種である。もともと米国で品種改良された綿花が土台になっているので、一般に米綿種とも呼ばれている。
Q. オーガニックコットンって何なの?
A. 大量の農薬や化学肥料が使用される一般的なコットンの栽培とは異なり、有機肥料や基準に従った農薬を使用し、綿花が枯れるまで待ってからの収穫、労働基準を守り児童労働をさせないといった基準の中で栽培されたコットン。環境保護や人道的な意味合いで近年人気が高まっている。オーガニック認証の世界基準として有名なものとしてはGOTS(Global Organic Textile Standard)やTE(Textile Exchange)等がある。
Q.綿(コットン)が夏涼しく、冬温かいのは、なぜ??
A. きわめて微細な繊維であるコットンは非常に吸湿性が高く、そのため、コットンの内側と外側に温度の差ができると、内側の水分を吸いとって、これを外側へと発散しようとする性質がある。その際、気化熱を奪うため、全体の温度が下がり、「すずしさ」をもたらしてくれるわけである。また、通気性も良いので、暑い季節にさわやかに着ることができるのである。また、コットンが冬にあたたかいのは繊維の構造によるもの。ウエアの保温性は布地が含んでいる空気の量によって決まるが、コットンは繊維の中心部が中空になっていて、熱伝導率が低く、熱が放出されにくいのが特徴。また、天然の撚りがあるのでふっくらと、空気をたっぷり含んだ織物やニットをつくることができる為、冬にはあたたかく着られる。
Q. 綿(コットン)の特徴は??
A. 特徴としては以下のものがあげられる。
①ねじれや中空構造のため、かさ高、軽量で保湿性に富む
②吸湿性・吸水性に優れている
③湿潤すると強度が増す
④鮮明に染色され、染色堅牢度にも優れている
⑤洗濯で縮みやすい
⑥シワになりやすい
以上、今月の月刊ステテコでは、綿とはどういう素材かをざざっとまとめてみました。
<引用文献・参考文献>
「なぜ木綿」 日比暉著 一般財団法人 日本綿業振興会
「よくわかる新繊維のはなし」林田隆夫著 日本実業出版社