旅するステテコ – カリフォルニア・ハーフムーンベイ編

 旅を栖とするフォトグラファーの濱津和貴さんが、いく先々でステテコ製品を堪能する連載「旅するステテコ」。第5回はアメリカ・カリフォルニア州にある海辺の町「ハーフムーンベイ」を訪れました。

Traveler : Waki Hamatsu

Photography : Waki Hamatsu

Edit : steteco.com

 かつて写真を学ぶために海を渡り、サンフランシスコのシティ・カレッジで多感な日々を過ごした濱津さん。その頃に出会ったエリックさん、ユリコさんご夫妻とは今も変わらず交流が続き、今回はエリックさんのスタジオがある「ハーフムーンベイ」で初めて開く「アート・ショー」のためにやってきたのでした。

出発前の成田空港

 日本からサンフランシスコまでは飛行機(直行便)で約9時間の空の旅。機内では隣座席の人と臆せず会話するのが濱津流。今回も窓際の濱津さんの席を気遣ってくれたり、充電ケーブルを貸してくれたり、とてもやさしい方だったのだそう。

エリックさんの車でスタジオへ通ったり、近くの浜で海藻探しをしたり

 サンフランシスコから南に車で20分ほどの太平洋岸に位置するのどかなハーフムーンベイ。エリックさんご夫妻の家に宿泊しながら車でスタジオに通い、アート・ショーの準備を進めていったのだそうです。町は海のすぐ近くということもあって、しばしば海岸を散歩しながら、日本の食文化を発信するユニットとして活動している「kinhiji(きんひじ)」の資料用に海藻探しも。濱津さん、とにかく多彩です(笑)。

展示の準備中。手に持っているのは水準器

 アート・ショーが開催される会場の「BLACK STAMP STUDIO」の前で。今回の旅には「ちぢみデニム ステテコパンツ」を穿いて行ってくれました。感想を聞くと「これは本当にデニムパンツなのか!? と思うほど軽くて動きやすくて、海外旅にぴったり」とのこと。おかげさまでちぢみデニムがアメリカ・デビューを飾ることがました。ありがとうございます!

毎朝の朝食はご夫妻が交代で作ってくれました

 日本では朝ごはんを食べない派だという濱津さんが「もしかしたら滞在中いちばんの楽しみだったかもしれない」と語っていたのがエリックさん宅での朝食。朝からにぎやかな家族とのおしゃべりが絶えなかったのだそう。

 作業中のエリックさん。「BLACK STAMP STUDIOS」を構えてアーティストとして活動するかたわら、近所のコミュニティカレッジでクラスを持ったりもしています。今回、濱津さんのTシャツやトートバッグなどのグッズ製作、さらにはロゴやフライヤーのデザインまで、アート・ショーをフルサポートしてくれました。Instagram : @blackstampstudios

友人や地元の人たちがたくさん遊びに来てくれました

エリックさんがデザインしてくれたロゴと、ヴィンテージフレームに額装した展示のようす

 9月の穏やかな日曜日、スタジオを開放して開催されたアート・ショー当日。事前にエリックさんが町の至るところにフライヤー(アート・ショーの案内)を配布してくれていたおかげもあって、地元の人々がたくさん来てくれたのだそう。やはり、持つべきものは友達ですね。

留学時代の旧友サトシくんとサッちゃんが腕を振るってくれました

 主に「EAST BAY」と呼ばれるサンフランシスコの東側を拠点にポップアップでお好み焼き屋さんをしている「OKKON(オッコン)」のお二人も、濱津さんと青春を共にした大切な旧友。アート・ショーのためにわざわざ応援に駆けつけてくれたのでした。濱津さん曰く、焼きそばも絶品だそうです! Instagram : @okkonpopup

 ハーフムーンベイでよく見かける「Naked Pink Lady(ネイキッド・ピンク・レディ)」と呼ばれるユリの仲間で、夏の終わり頃に花を咲かすのだそう。エリックさんの家では毎年のように夏休みを過ごしにやってくる濱津さんをこの花に重ね、外で咲いている姿を見かけると「今年もそろそろワキがやってくる」と噂し始めるのだとか。

ペリカンが飛び交う夕暮れ

 つねに異なる地に身を運びながらも「地上はいつも一緒」だという濱津さんらしく、帰国後に見せてくれた写真にはこれまでの旅と同じようにハーフムーンベイが写されていました。それは、その土地の精神を敬う気持ちから見た、ありのままの日常。「外国だから」という区別のない、見事に濱津さんらしい旅の姿でした。

 最後に、今回の濱津さんの旅グッズをご紹介。左上から時計回りに、9月でも東京よりずっと涼しかったという現地で重宝したブルゾンは友人からのプレゼント、カリフォルニアの人気バーガーチェーン「In-N-Out Burger(インアンドアウトバーガー)」のキャップ、愛機の「Nikon F2」、現地のワイナリーで見つけたロゼワイン、35mmフィルム、サングラス、エリックさんが作ってくれたアート・ショーのフライヤーとオリジナルトートバッグ、ちぢみデニムとカンフーパンツ、モンスター系のTシャツ(ハロウィンが近かったため!)、そして真ん中はお気に入りのジュエリーたちと、消毒用のアルコールスプレーに、青い巾着の中身は二日酔い用の味噌汁(笑)。

 

濱津 和貴さん

東京在住のフォトグラファー。日常にたたずむ美しさをテーマに、人の営みとそこから生まれる光景を撮り続ける。近年、ユニット「kinhiji(きんひじ)」を結成。写真集『summer vacation』ほか。

Instagram : @wakyhama / @kinhiji_

 

 

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