旅するステテコ – 周防大島編

 旅を栖とするフォトグラファーの濱津和貴さんが、いく先々でステテコ製品を堪能する連載「旅するステテコ」。第4回は瀬戸内海に浮かぶ神秘の島「周防大島(すおうおおしま)」を訪れました。

Traveler : Waki Hamatsu

Photography : Waki Hamatsu

Edit : steteco.com

 撮影の依頼があればどこへでも、仕事の合間を縫ってさらにどこへでも。「そこに行かなければ出会えないもの」に魅せられ、たくさんの旅を紡いできた濱津さん。実は四人姉妹の長女でもあり、今回は三女が住む周防大島に姉妹たちで集まり、家族水入らずの「夏休み」を満喫してきました。

 今回は「柄が好き」というバルーンブラウスを旅に連れて行ってくれた濱津さん。ステテコと同じ「高島ちぢみ」で作られたブラウスだけあって、夏真っ盛りの島でも、瀬戸内の海風を感じながら涼しく過ごせたそう。ちなみにこちらは「街中」という柄。

 周防大島には風情豊かな古き良き時代の家々が数多く残り、濱津さんは今回「郷の家(*)」という一棟で貸してもらえる古民家に二女と姪っ子たちとにぎやかに宿泊。夕食には知り合いの漁師さんからいただいたマダイを、刺身、漬け、炙り、塩焼き、アクアパッツァなどにしたタイ尽くしに、こちらもいただきものの新鮮なタコの刺身をたっぷり堪能しました。

 * 「せとうちつなぐキッチン 郷の家」:1日1組限定で、島での過ごし方などを案内してくれる古民家の宿泊施設。濱津さん曰く「一棟丸貸しと、おいしいご飯付きもあって、けっこうおすすめ!」とのこと。

 ウェブサイト:https://tsunagu-kitchen.shopinfo.jp/

 古来、瀬戸内海の交通の要所として永い歴史を持つ周防大島。海岸に立てば大小さまざまな姿の島からなる「多島美」を眺めることができます。夕方、姪っ子たちと一緒に散歩をしていると、みるみる空と海が幻想的なピンク色に染まっていったのだそう。

 金魚柄のシャツにテンガロンハットのスタイリッシュなご主人が腕をふるう、カンボジア料理の「o-kun(オークン)」でランチ。トムヤムクンヌードルと、鶏肉を生姜で味付けした「サイモアン丼」のセット。周防大島は島の形がまるで金魚のようにも見えることから「金魚島」とも呼ばれていますが、そのことにちなんだ、いきな装いかもしれません。

 三女が飼っている島の人気者の「陸奥子(ムツコ)」は水遊びが大好きで、用水路を見つけると勝手に降りていってしまうのだそう(笑)。散歩中に顔見知りのおばあちゃんに会うと、お菓子をたくさんもらえるという特技を持っています。

 島の名所のひとつであるアットホームなサイズの「なぎさ水族館」。魚に直に触れることができる日本最大級の「タッチプール」が人気ですが、濱津さんはこの水族館の「クラゲの研究」に注目していて、ときに新種が見つかることも。

 また2年ほど前に島を訪れたとき、あまりに頻繁に軽トラックを見かけるので数えてみたところ、なんと3時間で100台にも及んだのだそう。それほど使い勝手が良く、この島の暮らしに欠かすことのできない大事な存在なのですね。

 旅を通じて、自身のこと、友人や家族のこと、日本や世界のことを真っ直ぐに見つめ、そのまま写真に収める。どこに行っても自然体の濱津さんが選んだ夏休みの舞台は、時代に流されずに、おおらかな暮らしが残る周防大島でした。次回もどうぞお楽しみに。

 

濱津和貴さん

東京在住のフォトグラファー。日常にたたずむ美しさをテーマに、人の営みとそこから生まれる光景を撮り続ける。近年、ユニット「kinhiji」を結成。写真集『summer vacation』ほか。

Instagram : @wakyhama / @kinhiji_

 

 

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