ひんやり百景(月刊ステテコ8月号)

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@Ryu Itadani
@Ryu Itadani

今月の絵『噴水』 by Ryu Itadani

ひんやり百景

 8月です。すっかり猛暑が日常となりつつある中、みなさんはどのように「ひんやり」してお過ごしですか?

 たとえば海水浴やプール遊びといったレジャーでひんやりした水を楽しんだり、扇風機やエアコンでひんやりと涼しい風を受けることもあると思います。アイスクリームやかき氷、スイカを合わせればさらに効果は高まるでしょう。

 しかしそれらはよく知られた「オーソドックスなひんやり」ですので、「あらためて考えるまでもないよ」という方もいらっしゃるかもしれません。

 そもそも「ひんやり」は心身両方から感じることができますよね。身体の方は皮膚の「温覚と冷覚」で感じていますが、心の方はさまざまな事象に影響されて「ひんやり」が発動します。小説を読むように想像力がきっかけになるときもあれば、滝行のように心頭滅却して「無のひんやり」に至る方法もあります。

 そんな中、この夏ステテコドットコムが最も注目したいのは身近な「ひんやり百景」の世界です。見るだけでひんやりとした涼しさを感じることができるという、大変エコロジカルな行為です。

 それではいくつかご紹介していきましょう。

・噴水

 公園や庭園、駅前などの身近な公共スペースに見ることができ、噴き出す水の動き、キラキラ煌めくようす、ジャバババと奏でる音など、非常に高い「涼力(=涼しさを感じさせる力)」を発揮。水景写真として友達とシェアできるのも◎。

・氷(こおり)

 気温が暑いと溶けてしまう、という儚さが愛しい「氷」。見るだけでなく小さいサイズは食べて良し触れて良し。大きいサイズなら冷蔵庫を開けたときのような「冷気」を享受することもできます。

・風鈴

 風にそよぐ短冊と、チリーン、チリーンと鳴る音との相乗で「涼」を発生させる夏の風物詩。屋台に飾られた姿で見かけることも多く、花火大会や地域のお祭りのイメージも湧いてきますね。

・流しそうめん

 昔から知られているにもかかわらず「一度やってみたかった」という声が後を絶たない不動の人気を誇ります。一見するとウォータースライダーでそうめん側の気持ち疑似体験できそうですが、実際はスリルでそれどころではありません。

・おばけ

 見る以前の「想像」だけで充分な「ひんやり」を発揮してくれますが、もれなく「怖い」も付いてくるため、場合によっては眠れなくなってしまわないように注意が必要。

・ステテコ

 穿いている姿が涼しそうに見えることから、周囲の人までリラックスさせてしまいそうなステテコ。自分も涼を取りつつ、家族にもお裾分けできるとは、なんて涼力の高い存在でしょう。枝豆やビール、うちわといった小物使いも効果的ですよ。

 こうして並べてみると結構いろいろとあるものですし、もうすでに「ひんやり」しているのではないでしょうか? ステテコドットコムはこれからも素晴らしい「日本の涼」を支えていきたいと思います。みなさんもぜひこの夏は身近な「ひんやり百景」を楽しんでみてくださいね。

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